小さな魔女の唄

扉を開けたなら、何が、見えるだろう?
何処に、行けるのだろう?

ねえ。
連れてって。
ここではない、何処かへ。

世界を、見たいわ。

知らないものを、知りたいの。
見たことのないものを、見たいの。
食べたことのないものを、食べたいの。
触ったことのないものに、触りたいの。

色々なものに、乗ってみたいわ。
色々なひとに、会ってみたいわ。
私は何に、なれるだろう?
私は何処に、いけるだろう?

私の世界は、この、ちっぽけな牢屋の中だけで。
それがどれだけちっぽけかも解らないの。
この扉の向こうは、どんなに大きいのかしら?

ねえ、連れてって。
私を外に、出して。

花も、草も、木も。
月も、星も、太陽も。
草原も、砂漠も、森林も。
丘も、崖も、海も。
家も、城も、教会も。

私は知らないの。
見たことが、ないのよ。
私は見て見たいの。
世界に、触れたいの。

永遠に、永遠に、この牢獄で。
朽ちる日を待つだけなら。
私は何のために、生きるのかしら?
楽しい事、してみたいわ。
面白い事、してみたいわ。
嬉しい事、してみたいわ。
貴方は知っているのでしょう?
ねえ、私に教えてよ。
ここから出してよ。
ねえ。

何故、私を魔女だと、恐れるの?
何故、私を魔女だと、閉じ込めるの?
私は何もしないわ。
ただ、ここにいるだけなのに。
酷いことなんて、しないのに。
何故、私を魔女に、したいの?
何故、私を魔女と、思いたいの?
私は、魔女じゃあ、ないわ。
ねえ…