夢の名残

彼は。永の時の中で。

その強さ故に、狂う事もできず。

ただ、歪んでいったのだろう。



「好きなものを殺すとき

『自分は一体なんのために生まれてきたのか』を考えるときの様に気持ちが沈む。

だがそれがなんともいえず快感だ」



脳裏に浮かぶセリフ。



彼に、それを教えたのはオレ――オレが、彼にきっかけとなる種を植えてしまった。

彼がの精神―ココロ―が歪んだのは――歪めたのは、彼自身。

けれど。

そう導いてしまった責は――全部でこそないものの、確かにオレにもあるのだ。



黒い光を。

胸に抱いて。



闇の中に、落ちて行くような感覚。



ああ……



堕ちて行こうか?

お前と二人。



『見せてくれるだろう?甘美な夢をまた』



耳の中反芻する声に、応える。



見せてやるよ……

それで、最後。



終らせてあげる。

過去の夢は。

夢の残滓は。

現在―いま―には必要ないのだから……。



来るといい、オレの見せる夢に。

あの時途切れた夢の続きを――今度こそ正しい夢を、二人で紡ごう。



それは、終焉。

それは、始まり。



その、瞬間……



お前と共に、闇へ堕ちよう――堕ちて、行こう。


あの時。

途切れた夢を。

再び。


今度こそ、決して、手放しはしない。


過去の記憶――それを握りしめて。


あの時、手放してしまったから。

今のお前が、ある。


だから。

今度は、共に、行こう。



―――閃光―――



暗闇の中、見えた光は。

けれど再び、闇の中。