be fall..

オレが飛影を傷付けた。

「抱いてください」
言ったのはオレ――彼がそれを望んでいたから。

けれど、彼は見抜いた。
それが、オレが真実願って口にした訳ではない事を。

「あっ!」
身体を苛む刺激に思わず声が洩れる。

「望み通り、抱いてやろう」
そう言った彼の瞳は、傷付いた光を宿していて…そして同時に残酷な光に輝いていた。

「…んんっ…は…」
涙が出る。
嗚咽の漏れそうな喉は、けれどそんな声しか出さないのだ。

「見せてみろ、お前の愛情とやらを。お前が耐えきれたら、優しく愛してやる。だができなかった時には、覚悟する事だな」
それが飛影の出した条件――
オレは、耐えなくてはならない。彼をまた傷付けてしまわないように。
…けれど。

「どうした?お前の欲しいのはこれじゃないんだろう?それともどちらでもいいのか?お前のいう愛情とやらはこの程度か?」
嬲るような言葉。
いや、彼は真実嬲っているのだ、このオレを。
「ち、が……」
必死で声を紡いではみるけれど。
淫らなこの身体…いや、真実淫らなのはこのオレ自身か。
醜く浅ましいこの意識……
願ってしまっているのだ、オレは。
優しく愛されるよりも、激しく貫かれたいと…傷つけて欲しいと、願っているのだ。
彼を傷付けると判っているのにオレは……

あの時、抱かれたいと思ったのは事実。
けれどオレは、自分から言いたくはなかったのだ。
オレが願って抱かれるよりも。彼が望んで抱いて欲しかったのだ。
彼は、そんなオレの小さなこころの揺らぎを感じ取ってしまい、そして傷ついた。
だからオレは耐えきらなくてはいけないのに……

「あぁっ…」
秘部が…熱い。
玩具が…強制的にこの身体を昂ぶらせて行く。
無理矢理に挿入された事によってそこは血を流していたのだが…それでも与えられるのは苦痛だけではなくて。
機械のそれは当然疲れを知らなく…秘部は痛みを訴え始める。
足はとうに身体を支えている事は出来なかったから、吊るされた腕に体重がかかり…手首に縛めが食い込んで血が腕を伝っていた。
「うっ…く、は…ひっく……」
こらえきれずに嗚咽が漏れ出す。
解放を求める秘部は、未だそれを許されてはいなかったから。
どうする事も出来なくて…ただ涙がとりとめもなく溢れる。
「苦しいか?」
苦しくて、堪らない。
飛影の目を合わせる。そこに宿るのは残酷な愉悦……
喰らって欲しい。
奪い尽くして欲しい。
狂おしい程に…飛影が欲しい。
「いかせて欲しいか?」
コクコクと頷く。
苦しさに、もう何も考えられないほどに追い詰められていて。
飛影を傷付けるとか。
愛情を証明してみせるとか。
そんな事は綺麗に頭から消え去っていた。
飛影が張り詰めていた秘部を解放する。
と、とうに限界を超えていたそこはあえなく液体を迸らせた。
「ああっ…!」
身体から力が抜ける。
と、休む間もなく飛影は玩具を取り、変わりに飛影のそれを挿入した。
「ひっ!」
痛みと、そして悦びに身体が震える。
待っていた、この瞬間を。
失っていた半身を手に入れたような、狂おしい瞬間。
奪われるのを…ずっと……
「あっ…ああああっ!」
秘部が熱を放つと同時に、中に熱が吐き出された。
意識が、闇に呑まれそうになる。
と、飛影に髪を強く引かれ、妨げられた。
「どうした?夜はこれからだぞ?言った筈だ、耐えきれなかったら覚悟しろ、とな」
「あ……」
飛影のセリフが脳裏に浮かぶ。
ニ、と飛影は嗤うと、未だ熱を帯びている秘部を口に含んだ。
「あっ…飛影っ、もう…んっ」
嬲られる。
涙が出てくる。
けれど……
嫌じゃ、ない。
「ああっ……」
甘い涙を夜は包み込んで。
終りなき闇に、堕ちて行く。