即興詩 †神馬の乙女†

 何処にも行けない魂ならば
 海の彼方に閉じ込めて
 何にもなれない魂ならば
 月の裏側眠らせて

 びろぅどの髪 なびかせて
 シルクのろぅぶ ひらめかせ
 駆ける夜空は満天の
 久遠の時超え煌めいて

 深紅の瞳映すのは
 深き哀しみと憐れみと

 オリュンポスの山々を
 気儘に気侭に駆けるれば
 金のたてがみ煌々と
 夜の帳に光を零す

 まったき神のバッカスに
 捧げられたる白き馬

 乙女を乗せて夜昼と
 幾夜も幾夜も時超えて
 月の導を辿っては
 太陽の馬車とすれ違い

 光も音も時も超え
 やがては神話に埋もれて
 それでも乙女は変わらずに
 全てを見下ろし翔け回る

 全ての哀しみ受け止めて…
 空に軌跡を描くだけ