即興歌 †マリオネット†

 可哀想なマリオネット
 何にも知らされないままに
 可哀想なマリオネット
 何にも選ばせられぬままに

 物の道理も知らされず
 善悪さえも知らされず
 判断する術判らない
 可愛く無知なお人形

 可哀想なマリオネット
 何にも与えられぬままに
 可哀想なマリオネット
 何にも理解できぬままに

 やがて彼女は従順に
 定められたるままに
 与えられたる役割に
 知らずに従っていく

 可哀想なマリオネット
 無知な事さえ隠されて
 可哀想なマリオネット
 無知な事だけ強いられて

 やがて彼女は知らぬまま
 全ての罪を着せられて
 生け贄の羊にさせられる
 クニの礎となるために

 可哀想なマリオネット
 可愛い可愛いお人形
 可哀想なマリオネット
 無知で無垢なるお人形

 それでも彼女は愛された
 彼女はあくまで愛らしく
 全てはまつりごとの裏で
 仕組まれたただの生け贄

 可哀想なマリオネット
 生まれる前から決められた
 可哀想なマリオネット
 憐れな哀れなお人形

 やがて彼女の墓前には
 一面薔薇が植えられた
 彼女の愛したオレンジを
 無邪気の象徴オレンジを

 けれど何故かその薔薇は
 決して決して花咲かぬ
 何度やっても同じこと
 涙のように散るだけで

 やがて国中悲しんで
 彼女のために喪に服す
 黒い宝石身につけて
 彼女のために泣いている