即興詩 †夏の翳り†

きっと貴女は忘れるのでしょう
そう、すぐにでも忘れるのでしょう
夏の終りを偲ばせて
儚い夜を紡ぐのでしょう

どうか どうか 覚えておいて
私が此処にいた事を
私が貴女といた事を
どうか どうか 覚えておいて

また夏が来るよと風が囁いている
あの夏が来るよと空が告げている

私の消えた夏 貴女が去った夏
季節の変わる、その瞬間

夏は何度も来るけれど
私はもう 二度とは来ない
だからそう、だからそう、
ずっとずっと 忘れないで

アイシテタ、アイシテタ、アイシテタ
一夏の命だったけど
生きていた、生きていた、生きていた
力の限り、生きていた

終わりを知っていたからこそ、精一杯に

嗚呼……

夏が来るね、と心が騒いでいる
夏が来るよ、と雨が染めている
夏が来るね、と体が覚えている
夏が来るよ、と雲が識っている