即興詩 †白い部屋のアカイユメ†

緋色で紡ぐ 夢を見たい
朱で彩る 夢を見たい
私はいなく 貴方もいなく
そんな白い 白い部屋
記憶も想いも溶かされて
全てが消える 白い部屋

窓もなく 扉もなく
あるのはただ 白い壁
朱で彩る夢を見た
緋色で紡ぐ夢を見た
貴方を飾る夢を見た
私が飾る夢を見た
白い夢の中で

そして鮮やかな朝が来た
全てを忘れる朝が来た
色取り取りの夢の中で
奈落に落ちるように目が覚めた
差し込む陽射しに焼かれるように
胃の腑を焼かれる味がした

朱の味を噛み締めて
世界にようよう手を述べた
私はここに ここにいる
誰が見てても 見なくても
私はここに ここにいた

誰か見てくださいと世界に願う
誰か想ってくださいと世界に願う
私は私の世界を愛する
この小さな私の世界を

光はいとも鮮やかに
柔らかなびろぅどのようにふんわりと
カーテンを抜けて差し込んでいる
それは毒 柔らかな毒
私をゆるりと溶かす毒
腑抜けるな 腑抜けるな 腑抜けるな

貴方はここにいたのでしょう
廻らぬ世界の片隅に
貴方もここにいたのでしょう
全てが紅い夢の中に
からくりじみた世界の中に
歪つに満ちた世界の中に
朱が紅を紡ぐ夢の中に

掻き毟る 掻き毟る 掻き毟る
肌が裂けても 掻き毟る
朱を全てを失って 白だけ残れば良い
それは紅い 紅い夢