即興詩 †夢見るように、呼吸して†

夢見るように、吸いましょう
溺れるように、吐きましょう

漏れ出る声は、透明な泡
棘刺す水藻に覆われては
ゆるりと夢にも溺れれぬ

例えばそれは、人魚の恋
例えばそれは、泡沫の夢
朝ともなれば、消える夢
それでもそこに、紅仄か

さあさあ、ゆるりと、溺れましょう?
真綿で首を絞めるかのように
自ら蟻地獄に飛び込むように

朝まで? 夜まで? 夜明けまで?
あなたと過ごす幻を
描き抱いては渡り得ぬ
歩く側から崩れる廊下を
いかに いかに 渡れませぅ?

さあさあ、ゆるりと、沈みましょう?
欠片も光届かぬ海の底
朽ちた鎖が絡める岩底

例えばそれは、砂上の楼閣
例えばそれは、儚い蜃気楼
何処にも在れぬ、虚ろな夢を
貴方の為だけに、紡ぎましょう?
上手く呼吸できない、苦しみの中で

鏡越しだけ、交わせる瞳
水面越しだけ、覗ける瞳
誰より近いのに、触れれぬ貴方
ただ幻の中だけ、触れれる貴方

朱で彩り、口付けましょう?
命の温度を、確かめましょう?
灰色の世界でただ唯一の、色彩を

そして貴方は、ワタシ、と呼ぶのです
泡沫の幻の中で