即興詩 †夢の残滓†

何で 俺がお前を気にするのか
何度か問いてみはしたけれど
やっぱり答えは出なかった

朱に染まる記憶
それは
俺の紡いだ悪夢……

あの時
初めて
俺は怖いと思った
朱の花を咲かせたお前を
緋の匂いが 咽るようだった

俺は許せなかった
何に対してかは判らなかったけれど
あの時
お前だけには出てきて欲しくなかった……

刃が 身体を貫く感触
いつもは何も感じないその瞬間が
あの時だけは
刀が随分と重くて
それでいて途方もなく現実味は無かった

色を失った世界で
朱の花だけが鮮明に色彩を放っていた
音を失った世界で
あいつの微かな呻き声だけが耳の中大きく木霊した

お前は
何故
俺を……

邪魔したのが許せなかったのか
幽助をかばったのが許せなかったのか
それとも……

朱に染められた記憶
それは
現(うつつ)に見た悪夢
俺の紡ぎ出したそれ